秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
◇
その日の夜、わたしたちは九条邸へ挨拶に出向いた。
春くんは
「もういいんじゃないか?」
と言ったのだけれど、わたしが行ったほうがいいと思ったのだ。
「昨日は派手にやったそうだな。」
「はい。まぁ。」
春くんは無愛想にこたえている。
九条邸は新興の閑静な高級住宅街にあり、大きなたたずまいで、お手伝いさんや執事もいるような豪邸だった。
わたしもかなり小さいころから大きな家に住んでいることをうらやましがられたものだけど、それの比なんてもんじゃない大きさだ。
改めて思う。
九条春臣という人物がどれくらい雲の上の存在なのかということ…。
「これからよろしくお願いいたします。」
わたしは深々と頭を下げた。
「夏菜さん。顔をあげなさい。」
九条社長は急遽やって来たわたしたちに九条家シェフの料理のおもてなしをしてくださった。
こんな急な来客にも対応できるスタッフたちには脱帽だ。
「わたしの妻がいろいろご迷惑をかけたようで、それに関してはあやまる。」
社長がおだやかな顔でおっしゃる。
「わたしは春臣の結婚に関しては、妻とちがって、本人にまかせたいと思っているのでね。春臣が君を選んだならそれでわたしはいい。」
「ありがとうございます。」
なんとなく、心のこもっていない言葉だ…と思った。
その日の夜、わたしたちは九条邸へ挨拶に出向いた。
春くんは
「もういいんじゃないか?」
と言ったのだけれど、わたしが行ったほうがいいと思ったのだ。
「昨日は派手にやったそうだな。」
「はい。まぁ。」
春くんは無愛想にこたえている。
九条邸は新興の閑静な高級住宅街にあり、大きなたたずまいで、お手伝いさんや執事もいるような豪邸だった。
わたしもかなり小さいころから大きな家に住んでいることをうらやましがられたものだけど、それの比なんてもんじゃない大きさだ。
改めて思う。
九条春臣という人物がどれくらい雲の上の存在なのかということ…。
「これからよろしくお願いいたします。」
わたしは深々と頭を下げた。
「夏菜さん。顔をあげなさい。」
九条社長は急遽やって来たわたしたちに九条家シェフの料理のおもてなしをしてくださった。
こんな急な来客にも対応できるスタッフたちには脱帽だ。
「わたしの妻がいろいろご迷惑をかけたようで、それに関してはあやまる。」
社長がおだやかな顔でおっしゃる。
「わたしは春臣の結婚に関しては、妻とちがって、本人にまかせたいと思っているのでね。春臣が君を選んだならそれでわたしはいい。」
「ありがとうございます。」
なんとなく、心のこもっていない言葉だ…と思った。