秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
けれど…
きっと九条家という巨大な家を背負って生きてきた九条の頭首にとっては、息子というのは九条家の跡継ぎというそれだけの存在なのかもしれない。
春くんはお母さまには溺愛されていたのだろうけれど、きっとお父様には親子の愛というより、跡継ぎとして接してこられたのだろう。
春くんを見ると、無言でスイスイと上品に一流の料理を食べている。
「結婚式はどうするんだ?」
お父様が春くんに向き直っておっしゃる。
「来年の秋の予定で考えてます。それまでに葛城邸を改築したいですし、準備もありますし。」
「そうか。葛城邸にそのまま住むのか?」
「はい。あそこが俺たちの原点ですから。」
「そうか。」
社長ははははと笑った。
「春臣。おまえが…うらやましいよ。」
「え?」
春くんが不思議そうな顔をして、はじめてお父様の目を見た。
「わたしも誰かを…そこまで…好きになってみたかった。そしたら母さんみたいにさせずにすんだのかもな。」
「俺は…父さんのことは尊敬してますよ。経営者として。九条の頭首として。」
「それはわかっている。」
お父様は目をつむると、少し笑みを浮かべたまま言った。
「俺は、父さんのようになりたいと思って今まで仕事をがんばってきたつもりです。これからもいつか父さんを超えるようにがんばっていく。けれど、そのためには夏菜が必要だ。夏菜はこれからの俺の人生そのものなんです。それだけのことです。」
きっと九条家という巨大な家を背負って生きてきた九条の頭首にとっては、息子というのは九条家の跡継ぎというそれだけの存在なのかもしれない。
春くんはお母さまには溺愛されていたのだろうけれど、きっとお父様には親子の愛というより、跡継ぎとして接してこられたのだろう。
春くんを見ると、無言でスイスイと上品に一流の料理を食べている。
「結婚式はどうするんだ?」
お父様が春くんに向き直っておっしゃる。
「来年の秋の予定で考えてます。それまでに葛城邸を改築したいですし、準備もありますし。」
「そうか。葛城邸にそのまま住むのか?」
「はい。あそこが俺たちの原点ですから。」
「そうか。」
社長ははははと笑った。
「春臣。おまえが…うらやましいよ。」
「え?」
春くんが不思議そうな顔をして、はじめてお父様の目を見た。
「わたしも誰かを…そこまで…好きになってみたかった。そしたら母さんみたいにさせずにすんだのかもな。」
「俺は…父さんのことは尊敬してますよ。経営者として。九条の頭首として。」
「それはわかっている。」
お父様は目をつむると、少し笑みを浮かべたまま言った。
「俺は、父さんのようになりたいと思って今まで仕事をがんばってきたつもりです。これからもいつか父さんを超えるようにがんばっていく。けれど、そのためには夏菜が必要だ。夏菜はこれからの俺の人生そのものなんです。それだけのことです。」