先生の全部、俺で埋めてあげる。



「これ、使えるかな?」


返事に困った俺は、枝を拾いながら話を逸らした時だった。




「調子どう?」


見回りをしていた加ヶ梨先生が俺たちの方へ近づいてきた。




「先生。全然見つかんないっす」


柾木が少しだるそうに返事をする。


「さっき、あっちにいた子たちはたくさん拾ってたよ」


「まじっすか」


俺たちも行ってみようぜ、と柾木は先生が指差した方へ向かう。


すたすたと行ってしまうから、俺と先生も柾木の後に続いた。



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