先生の全部、俺で埋めてあげる。
「加ヶ梨さん、あの本借りていきましたよ」
「え?」
「”attachment”。あなたが借主を探していたあの本」
なんで…?
その言葉を聞いて心臓が大きく波を打った。
先生が好きだって言ってた本。
好きだとは言っていたけど先生が読んでる姿は一度も見たことがなかった。
「あの人、約2年間もずっとここには来なかったのに。里巳さんがあの人に会いに行った翌日に図書館に来るなんて、なんなんでしょうかね」
青山さんの言葉は少しとげとげしくて、イライラしているように感じる。
「その本が…読みたくなったからじゃないですか」
「本気でそれだけだと思ってます?」