先生の全部、俺で埋めてあげる。
既に図書館の外に出ていた先生を一生懸命追う。
「先生!」
俺の叫び声と共に、先生は立ち止まって振り返った。
先生は俺を見ても驚いた様子も何もなくて。
ただじっと、俺を見つめている。
それだけで無駄にドキドキして。
やっぱり俺に会いに来たのかなって、期待する。
「先生、今からちょっとだけ付き合ってもらえませんか?」
俺の言葉に先生は黙って頷いた。
でも先生はずっと無表情で、何を考えているのか俺にはやっぱり分からない。