先生の全部、俺で埋めてあげる。
高台の夜景が見えるところ。
先生は何も言わず、俺についてきてくれた。
もう二度と会いに来ないでって言ってたくせに。
先生は本当に何を考えているんだろう。
自販機で買ったホットココアを先生に渡すと、
「ありがとう」
そう言って俺の手からホットココアを受け取った。
「夜景キレイね。なんでこんな場所知ってるの?」
「小さい頃、何度か来てて」
「そう」
先生は、この前会った時より穏やかで。
今日はちゃんと冷静に話しができる気がした。