先生の全部、俺で埋めてあげる。



「私、里巳くんが好き」


「え?」


「ずっと好きだったよ」


先生は泣いてんのに満面の笑みで、そう言って。




「先生はいつもズルいよ…」


こんな時にそんなこと言うなんて。


今までずっと否定してきたのに。


俺のことなんか好きでもなんでもないって。


いつも受け入れてくれなかったのに。


なのに、こんな時ばっかり素直になって。


俺の全部を持って行く。


本当にズルいよ。




「俺も先生が好き」




「うん…」




「大好き」




俺がそう言った瞬間に、先生の方から顔が近づいてきて。




俺の唇に先生の唇が触れた。




もう心臓が張り裂けそうになるくらい嬉しくて。


信じられなくて。


そんな先生の背中に腕をまわして。


もう、一生俺から離れていかないように、力いっぱいギュッと抱きしめた。



< 312 / 338 >

この作品をシェア

pagetop