桝田くんは痛みを知らない
 お昼はドライブスルーでポテトとハンバーガーとジュースを買って桝田くんの家に向かった。


「疲れた?」


 ゲッソリしている桝田くんに、問いかける。

 おかしいな。

 そこまで歩いてないけど……。


 無理させてしまった?


「なんつーか。……ゲーセンとかショッピングモールって。あんな人いんだな」


 なるほど。

 体力的でなく、精神的にお疲れみたい。


「土曜日だからかな。日曜日は、もっと多いと思うよ。桝田くんって。人混み苦手?」

「苦手じゃない意味がわからねえ。あんなとこでワイワイやって、なにが楽しいんだよ。ジロジロ見られるしよ」


 それは桝田くんがアイドル級にカッコいいからだよ。


「ふふ」

「なに笑ってやがる」

「プリクラ。撮れたなーって」

「撮りに行ったんだ。撮れてなかったらキレるっつーの」


 宝物にしよう。


「半分こ、する?」


 って、一応聞いてみたけど。

 イラナイかな。


「する」


 …………!!


「顔変わりすぎてて。キモいな」

「キモいとか言うなら。あげない」

「っ、仕方ねえだろ」

「なにが」

「加工しない方が。……オマエ、可愛いし」
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