夕暮れのこの場所から君と始める
やる気の起きない毎日。
それでも時間は過ぎてゆく、みんな平等に。


「……みんな楽しそうでいいな」


海が一望できる夕暮れの公園で独り言。
友だちゼロの自分に話しかけられる人はいない。そもそも人付き合いが苦手だ。教室では限りなく空気に近い。


買い物帰りの親子、手を繋ぐカップル、散歩をする老夫婦。みんな、幸せそう。


学校も不登校で、友だちもいなくて、親との会話もない。そんな無限ループが嫌で、何か変えたくて、やや発作的に飛び出してきたが、やはりそんな都合のいいことは起こるわけない。




やっぱり、何も変わらないんだ。



< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop