にゃん子と寺子屋日記
曾おばあちゃんの時計(11)
昨日の土曜日、近くに住む小5の孫娘(かな:佳奈)が遊びにマイ自転車できた。

実は1、2週間前にも来たのだが、2回のピンポーン、ピンポーンに気づいてはいたが、
私の方が、動物禁止令があるので、少々用心深くなって、出るのを躊躇してしまった。

その孫娘の話を、この前スーパーで会った母親から聞いて、ああ申し訳なかったナと、
この前たまたま用事で、訪問すると、いつもはサッカーの練習でいないのに、
玄関のドアからニコニコ顔で飛び出してきて、
「この前、行ったんだよ~」。
「この前はごめんねー。ほんとはいたんだけど、出れなくて・・・。
今日サッカーなかったら、おいでー」

ということで、家に来ると、ねこがいるというので、さっそく
「ねこ、どこどこ!?」。
「まだ慣れてないから、ムリだよ」というのに、ねこの方へ。
さっそく、「ウー、ウー」と火を吹かれて、あっさりあきらめたよう。

一緒に、お紅茶して、(お)がつくほどのことはないのだが、小さい時からしているので、
「ああ、おいしい!!」と。

これには、笑い話があって、孫娘は3人いるんだけど、
かなは長男のところ、三男のところは(ルリ:瑠璃)というが、
その子が3、4歳のころ、母親の実家に帰ったおり、
祖母に、お紅茶がしたいと。
すると、祖母が、「いいよー、でもうちは(お)がつかない紅茶だよ」と釘をさされた。

私が、お紅茶する時はね、レディのように、静かに、愉しく、こぼさないように
お行儀よくして飲むのよ、といって、
たくさんある紅茶カップを自分で好きに選ばせて、きれいなカップマットを敷いて
ちょっとおしゃれな雰囲気でしてあげるのが、とても嬉しかったようで、
それとちょっとでも違うと、こうじゃない!と文句を言ったらしい。
それで、うちはお紅茶じゃないよ、(お)のつかない紅茶だよという次第・・。

数年前から、帯と下駄付きのユカタをそれぞれに買って用意していたが、次男のところの
小6(さつき:皐月)と小4のルリは取りに来ていたが、かなだけまだったので、
ユカタのほかに、ウールの着物も一緒に、ついでにたたみ方も教え,
着物専用のタトウシにナフタリンも入れて用意すると、
うれしそうに抱きかかえ、小瓶に入れたらっきょうも忘れず、何とか自転車に乗せて帰っていった。

かなは、らっきょう大好きの、らっきょう娘で(笑)、
特別に着物好きでもあって、
小さいころよく着せてとせがまれて、何回か、着物を着せてあげた。
七五三のときは、もちろん三人それぞれ自分で着せて、お参りに連れていった。
その写真を見ると、孫より自分が嬉しそう(苦笑)。でもみるたびに幸せな気分にはなる。

5時過ぎにかなが帰って、寝るころになって、ふと気づいたことがあった。
おばあさんの時計(私の母)の振り子がクルクル回っている。
あれ、ずっと止まっていたのに・・・ふしぎ!?

母の形見分けのとき、義姉に、いらない?と聞かれ、壊れているのにと思ったが、
いらないと言うと、捨てられると思ったので、もらって帰った。
時計は、そのまましばらく押入れに入れっぱなしで、
数年後、押入れ掃除で触っているうちに電池に気づき、
電池を入れ替えるとまた動き出して、オルゴールも鳴り出した。
でも、かわいい振り子は止まったままで、なかなか動かないのであきらめていた。

かなが来た時、時計の下に貼ってあった写真をみて、
「これはおばあちゃんのおばあちゃん??」と。
「そうよ、かなちゃんの曾ばあちゃんよ」

かなが産まれて、1ヶ月もせずに母は亡くなった。
なので、かなと母の死んでからの歳は一緒なので、もうすぐ13回忌がくるねと。

かながとても私を慕ってくれるし、会うとほんとに表現は悪いが、
猫が喜ぶように喜んでくれるので、密かに、かなは母の生まれ変りではないかと思っていたが、
時計の振り子がくるくる回りだしたのを見て、やっぱり・・と。

ああ、この世もあの世もつながっているナと。
見えないだけで、違う次元のすぐそばにその人がいるかもしれないし、
自分がその気になれば、いろんな世界とつながれるんだと。
その気になればというのは、そういう波長になればという意味だが、
この世はやはり何でも、最後は自分次第・・
自分がいたわりの気持ちを持てるか、損、得だけでない気持ちを持てるか、
いつも試されている気がする。

ねこは、ただいま爆睡中です。ほんとによく寝る猫です。














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