BLACK REFLECTION -月の警告-
焦燥、朝帰り





*







「────うん、だからね?時田も考えナシだよなあ」

「すみません朧さん……」

「逃げた奴のことなんて忘れちゃえばいいのに」




声がした。

聞き慣れていない声。だけど、聞き覚えのある声。




「……でもあれ、逃げたようには見えなくて……って、すみません!俺の分際で朧さんに意見したりして!」

「や。ここそーゆー堅苦しいとこじゃないっしょ。それに、これはどっちかっていうとオレの問題だし」




誰?

……だれ?



一瞬だけ薄っすら目を開けて、光を感じてすぐに閉じた。

ここがどんなところかわからないのだから、もう少し狸寝入りを続けて、状況を整理してもいいんじゃないかと思って。




「……あれえ、サナちゃん、寝たフリ?」



< 23 / 40 >

この作品をシェア

pagetop