緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
まだ帰って来ない。
夜中の3時を回ったところ。
常に意識は部屋の外にある。
吹き荒れる強い風が、窓を不気味に叩いている。

茅ヶ崎さんとの会話、どこから聞かれてたんだろう。
どう、思ったんだろう。

私にも、茅ヶ崎さんにも突っかかることなく出て行ってしまった。
あの時の動揺は、どれくらい伝わってしまっただろう。
鋭い楓馬くんのことだから、気づかないはずがない。

ここ数日で、一気にいろんなことが起こりすぎて、もう頭がパンク寸前。
でも、逃げ出すわけにはいかない。
全部自分が蒔いた種なんだから。

茅ヶ崎さんについて行くことを選んだら、それは、楓馬君とはもう会わないってこと。
明日、茅ヶ崎さんについて行かないってことは、それはつまり楓馬君を選んだってことになる。

…わかんないよ。
ここにいることがあれだけ嫌だったはずなのに、なんで迷ってるんだろう。
って、そんなの、楓馬君のことが好きだからか。

だったらなんで、茅ヶ崎さんに誘われて悩んでるんだろう。
矛盾した自分の心にイライラする。
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