緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
もう、話すらしたくない、ですか?
昨日の夜は、停電があったから茅ヶ崎さんと一緒にいただけなんですよ。

なんて、言い訳をすればするほど怪しくなってしまう。

楓馬君が口を開くまでの時間がやけに長く感じる。裁判官の判決を待つ被告人のようだ。

そんな心持で祈る私に、ようやく楓馬くんが口を開いた。
そこで下された判決は…。

「言いたいことはだいたいわかってる。
莉子。左手貸して」

小さく電子音がして、外れたブレスレットが床に落ちた。

「これで、あの男を追いかけるのも自由だ」

あまりの衝撃に瞳が揺れる。
下されたのは、釈放。なのに全く喜べない。

「…本気、ですか」

「ずっと望んでたことでしょ?」

解放された左手が重い。
冷たい目に、すがることすらできない。
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