緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
手錠を掛けられた私が、連行された先は大きなお屋敷の一室。
どこだろう、ここは。
いつになったら説明してくれるの?

移動中の車内でも聞いてみたけど、「まぁまぁ」ととことんはぐらかされた。

「今日からここがあんたの居場所。どうぞよろしく」

なにがよろしく?

わっかんない。
さっぱりわからない。

もう無理よ。
いつまでも付き合っていられない。
さっさとお暇しよう。

まずはこの手錠を…。
ガチャガチャと腕をひねってみるけど、全く外れる気配がない。
非力な自分をここまで恨んだのは初めてだ。

「無理に動かさない方がいいよ。怪我したくないでしょ?

鍵は俺が持ってる。俺との結婚を誓うなら、その手錠外してあげる」

は…?

「いや、誓えませんよ、そんなこと」

交換条件だとしてもひどすぎる。
この人は、結婚の意味をわかってるんだろうか。
< 3 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop