何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】

その十字架に誓え、その夕日に染まれ

それから数日後

「やった!!新しい服作ってもらえるの??」
「もちろんよ。」

天音の決心から数日後、服の仕立て屋のおばさんが、「せっかく城に行くのだから。」と無料で天音に、新しい服を作ってくれると、申し出てくれた。
本当にこの村の人達は、みんな優しくて、まるで家族のようだ。
天音はつくづくその事を感じていた。

始めは、まさか天音が…と思っていた村人達だったが、今では天音が妃候補となる事を、村のみんなが応援してくれている。

「どんなのがいいかね?なんたってお城に行くんだからね。」

仕立て屋のおばさんも、どんな服にしようかと、ワクワクしながら考えてくれていた。

「あのね…おばさん。」

しかし、天音の心の中では、どんな服にするのかは、もう決まっていた。
< 15 / 339 >

この作品をシェア

pagetop