何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
「京司…?」
俯いていたままの京司に、天音が声をかける。
「天音…。」
「ん?」
京司は池を見つめたまま、彼女の名をそっと呼んだ。
「それでもやっぱり妃になりたいか?」
京司は、なぜそんな事を口走ったのかわからなかった…。そんな事を彼女に聞いても……。
「うん。まだ、国のためとかわからないけど、でも村のためには、きっと何かできるから。」
自分がもっと傷つくだけだというのに。
俺はそれを聞いて何ができる?
俺にはそんな純粋な思いなんて
もうナイ。