私の中におっさん(魔王)がいる。~黒田の章~

 黒曜竜とは、隊長のことだ。
 密書で風間を介し、やり取りをしていた時の字(あざな)だ。
 誰かに見られた時に、そのままの名前が書かれていれば、言い訳の仕様もないからな。
 黒曜竜は、全身が真っ黒なドラゴンで、細身の翼竜だ。
 岩棚に住む事を好む。性格は気高く、気性も荒い。人に懐く事はなく、まさしく隊長そのものって感じ。

 花小竜は、花畑が好きなメルヘンなドラゴンだ。
 人間の男性の手のひらサイズしかない小竜で、地竜と翼竜の二種類いる。
 気性は穏やかで、日光が大好き。
 そんなドラゴンの字を持つのが、大男だとは、誰も思うまい。
 そう、これは花野井さんさ。ってことは、この月の鳥は、月鵬か。
 どうやら、この巻物は封魔書のことを書いているらしいな。
 俺が目線をあげると、隊長と目が合った。
 隊長に巻物を渡す。

「偽者なんすね」
「さあな。向こうが言ってる事を鵜呑みにする必要はないだろ」

 と言いつつも、八割は偽者だと思ってるって顔だな。
 うむ、ま、用心に越した事はないってのは確かだな。
 さすが隊長!
< 62 / 146 >

この作品をシェア

pagetop