ス キ ナ ノ
「なあ・・・
今泣いてるのって・・・
悲劇のヒロインになりたいのって・・・俺のせい?」


"うん"なんて言える訳がない。


『違うわよ勘違い男』


突き放すようにわざと冷たく言ってみる。



―グイッ―

「ちゃんと・・・
俺の目見て言って?」


田中に・・・顎をつかまれ持ち上げられたせいで目がバッチリ合う。

悲劇のヒロインになりたいのにこの胸の高鳴り。

"マンガだったらココでキスとかしちゃうよね"

落ち着くためにそんな事を考えてみる。



「なぁ・・・答えてくれよ・・・・・」


蚊の泣くような声ってこんな声なんだろうか。


腹の底から絞り出すみたいに必死に言ってきた。


"コイツには嘘つけない"

そう思って


『そうだよ。』


あたしも多分蚊の泣くような声だったと思う。


とにかく震えてた。

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