御坂くん、溺愛しないで。
正直なところ私も御坂くんのことが気にかかっていたため、素直に追いかけることにした。
財布だけを手に持って御坂くんの後ろ姿を追いかける。
けれど思った以上に彼は先に進んでいたため、なかなか追い付けない。
「……あれ」
それにしてもおかしい。
食堂を出てすぐに階段があるのだが、なぜか御坂くんはそこを素通りしたからだ。
生徒たちの教室があるのは二階より上のため、上らない時点でおかしいのである。
それより先にあるのは中庭への扉と非常階段のみ。
さすがに非常階段を使うというのは考えにくい。
つまり御坂くんは中庭へ行こうとしているのだろうか。
確かに中庭にあるベンチを利用してご飯を食べる人はあまりいない。
そのためひとりになるにはうってつけの場所かもしれない。