御坂くん、溺愛しないで。



「さっきのでよくわかりました」
「え、あの…御坂くん……」

「先輩、俺は歳下ですけどその前に男です。
いい加減意識してくださいよ、俺のこと」


ぎゅっと、私の右手を握ってくる御坂くんの左手。

そんな彼の手は大きくて、男の人だなと思い知らされる。


それに私は御坂くんに言われる前からずっと、彼が男の人だとわかっている。

それから意識だってしている。


だからいつのまにか好きになっていた、御坂くんのことを。


「私、は…」

いっそのこと、本音を言ってしまおうか。


そう思い顔を上げれば、なんと御坂くんの頬は赤く染まっていて。

あまりにも照れくさそうだったため、私もそれが移ってしまい頬が熱くなる。

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