独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 私の言い訳じみた返答には興味がないように、彼は突然立ち上がった。ぽかんとして見ていると、彼はどこからともなくワインボトルを抱えて戻ってくる。

「よし、飲むぞ」

「……へ?」

 カウンターにグラスを並べ、「なんかつまみあったかな」と戸棚や冷蔵庫を開け閉めしながら缶詰やオリーブの瓶を取り出す。

「あ、あの……」

「どうせ明日から休みだ。浴びるほど飲んだってかまわないだろ。それとも明日、なにか予定入ってる?」

「とくには入ってませんけど」

 正直に答えると、彼はニヤッと口角を上げて意地悪な笑みを浮かべた。

「じゃあ問題ないな」

< 162 / 181 >

この作品をシェア

pagetop