独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる



 昼食を終えて三人で事務所に戻ると、ちょうどエントランスドアが開かれた。シンプルだけど高品質とわかるダークグレーのスーツをまとった男性が私たちを見つけてふわっと微笑む。

「やあ、おつかれさま。みんなでお昼?」

「はい、ランチしてました。所長はお出かけですかぁ?」

 長澤さんが如才ない笑みを浮かべて答えると、わが事務所のトップ、神谷伊澄先生は整った顔を柔和に崩した。

「これから収録なんだよ。クイズ番組だってさ。ああいうのは苦手なんだけど」

 小学生からお年寄りまで幅広い世代に親しまれているクイズ番組の名前を口にすると、神谷先生は広い肩をすくめてみせる。

「ええーすごい! あれ、私も観てますよ」

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