独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
雪絵の言葉に長澤さんが「ええっ?」と声をひっくり返す。
耳をふさぎたい気持ちだった。不協和音みたいに、濁った音を立てて心臓が脈打つ。
「いや本当に、彼女メガネ取ったら美人なタイプですよ。目元の優しさとか鼻の高さとか。そういや、冨永さんと同じ系統かも」
微妙な笑顔を繕って固まっている私に、雪絵はじっと視線を注ぐ。所長秘書と私の共通点を探すように、メガネの奥の瞳を凝らす。
「うん。透明感のある雰囲気で、やっぱり似てます」
「えー、冨永ちゃんと久世さんが? 全然似てないわよ。だって久世さんはめちゃくちゃ怖いじゃん」
「性格は全然違いますけど、雰囲気っていうか」
「ええー?」
ふたりから顔を覗き込まれながら、頬が引きつりそうになるのを必死に堪えた。