一夜からはじまる恋
「その傷…」
湊の頬にあるかすかな切り傷。樹はその傷に無意識に触れていた。

「ちょっとな…。」
現場とも遺族とももめているときいている樹はなんとなくなぜできた傷かがわかった。

自分の頬に触れる樹の手に湊は目を閉じる。

樹が我にかえってその手を離すと湊はキッチンに戻ろうとする樹を抱き寄せた。

ちょうど樹のお腹に湊の頬があたる。
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