俺が夢を叶えた理由
お別れの時、空港で二人は指切りをして約束をした。

「俺、絶対に有名なサッカー選手になる!だからここに帰って来いよ!」

「うん!お互い頑張ろう!」

そして、連絡を取り合いながら時は流れ、くるみは二十歳になった。くるみは胸を弾ませながらかばんに荷物を詰め、一人でブラジルに住むことにした。

何年振りに会ったハウルは、約束だったサッカー選手になって活躍していた。たくましく体と高い身長の男性が空港で手を振ってくれた時、くるみは誰だかわからなかったほどだ。

「Kurumi!Muito tempo semver(久しぶり)」

にこりとハウルが微笑んだ刹那、くるみの心にハウルやブラジルでの思い出が再生され、気がつけばくるみはハウルを抱きしめていた。

「あっ!えっと……Sinto muito(ごめんなさい)」

久しぶりにポルトガル語を話し、赤面しながらくるみはハウルから離れる。くるみの知っているあの頃とは全く違う。すっかりと大人になったハウルがいた。
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