人生の楽しみ方
 君はキッチンで野菜を切っていた。その姿を見ながらコーヒーの為の湯を沸かす。

 「望さんのコーヒー美味しいから好き。」

 君に褒められると調子に乗ってしまう。君はオムレツを焼きながら、電子レンジで温野菜を作る。

 「ひな、美味しそうだね。」

 「朝だから、軽く食べよ?」

 「うん。」

 君は少し微笑みながら皿に野菜とオムレツを盛り付ける。二人で食べる朝食は幸せの象徴みたいで。

 「望さん、ずっと笑ってる。」

 「これからひなとずっと一緒だからかな。家族になるんだって思うと嬉しいんだ。」

 君は優しく微笑む。そして、恥ずかしそうに俺の頬にキスをする。俺は今日は君にとって一番幸せな日にしてあげようと思う。一緒に指輪を選んで、素敵なレストランで食事をして。

 「ひな、この間のワンピースがいいな。素敵なひなを見たいんだ。」

 「うん、いいよ。あれ、大切にしてるのよ?だから、大事な日に着るの。」

 可愛いその言い方に、ちょっとドキリとする。

 「ひな、綺麗にして?」

 「どうしたの?何か、望さん、変。」

 「ひなは、綺麗だよ。嫌かもしれないけど、やっぱり綺麗だよ。」

 「望さんに言われるのは構わないけれど…。」

 「俺が隣にいるから、綺麗でいて?」

 「じゃあ、入念に綺麗にしておくね。」

 嬉しそうに微笑む君を見てると少しほっとする。やっぱり、自然に綺麗で居て欲しいから。

 「ひな、結婚式したい?」

 「えっ、まだ何も考えてないよ?でも、写真でいいよ…。」

 「そう?」

 「私は親とは仲良くないから…。トラブル想像するとちょっと…。だから、一緒に写真だけでいいかな。」

 「ひなのドレス姿、見たいんだ。」

 「うん、ダイエットしなきゃ。」

 想像しながら微笑むと君は少し恥ずかしそうに目を反らす。

 「もう…、望さんたら浮かれすぎ。」

 「仕方ないよ、幸せだもの。」

 そう、幸せなんだ。君は側に居るだけで俺を幸せにしてしまうんだ。

 「ひな、支度して出掛けよう?」

 「うん。」

 二人で食器を片付けながら顔を見合わせて笑った。
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