大嫌いな君と再会したら…
まぁ、こんなくだらない会話のお陰で、宴会の2時間、一磨を全く気にしなくて済んだし、まぁそこそこ楽しかったし、よかった。

歓迎会がお開きになると、既婚者は時間を気にして帰っていく。

「平井、二次会どこ?」

楠さんに問われて、

「は? 私が幹事なのは一次会までです!
あとは自力でなんとかしてください」

と半ギレ状態で答える。

「チッ。しょうがねぇなぁ。
ほら、平井、行くぞ」

ご機嫌な楠さんに手を引かれて、無理矢理連れて行かれる。

「ちょっ、ちょっと待ってください。
私、行くなんて一言も… 」

抵抗してみるが、聞いてはくれない。

「帰りは送ってやるから、来い」

結局、引きずられるようにカラオケに連れてこられた。

狭い部屋に奥から詰めていく。

それを様子を伺うようにドア付近で眺めている一磨。

「ほら、岡田、入れ」

楠さんに促されて一磨が中に入る。

私は末席にと思ってたのに、

「ほら、平井も」

と手を繋いだまま中に入れられる。

「いえ、私は皆さんのオーダーを通しやすい
ように出口付近に… 」

「却下。そんな事したら、お前、こっそり
抜け出して帰るだろ。オーダーは俺がやって
やるから」

なんだかんだ言っても、楠さんは優しい。

憎まれ口を利いてるけど、要するに世話役を代わってやるって事でしょ。

「ありがとうございます」

と私は素直に従った。

……が、従ってから気づいた。

一磨の隣!!

見ないふり見ないふり。

私は半身になって、一磨に背を向け、楠さんと選曲する。

勝手に楠さんの好きなアイドルの曲を入れられ、無理矢理マイクを持たされる。

かと思えば、デュエット曲を入れられ、楠さんに肩を抱かれて歌わされる。

楠さん、いつにも増してご機嫌?

いつもこんな事しないのに。
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