死者の声〜最期のメッセージ〜
そう言い現れたのは、ベージュシャツワンピースを着てベージュワイドパンツを履いた美人な女性がだった。

「えっと……」

藍が首を傾げると、大河が「北村一花(きたむらいちか)さん!?」と驚いた。白鳥うららと同じく人気の若手女優で、白鳥うららのように数々のドラマや映画に出演しているライバルだと説明してくれる。

「その通りよ」

北村一花はそう言って笑った。

「ところで、殺されたとなぜそう思うんですか?」

藍が訊ねると、北村一花はフンと鼻を鳴らす。

「あたしの場合、あの子にドラマの主役を取られたの。今思い出しただけでも腹が立つわ!スキャンダル女のくせに!」

「スキャンダル?」

怒り狂う北村一花に、大河が首を傾げる。北村一花は「そうよ!」と怒鳴った。

「あの子、いろんな俳優とデキていたしね!!取っ替え引っ替えして、親の力でスキャンダルをもみ消してもらって……。前田周(まえだあまね)が殺したんじゃない?」
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