死者の声〜最期のメッセージ〜
その時、藍の注文した梅酒ソーダが運ばれてくる。藍は「ありがとうございます」と言って受け取り、如月刑事に言った。

「あなたに聞きたいことがあったの。今回のことが、ドラマの内容と似ていると言っていたわね。ドラマはどんな内容なの?」

「えっとだな……。事件は、キャンプをしている最中に起こるということになっている。小麦アレルギーの人が、小麦を食べ物に入れられてアナフィラキシーショックを起こして亡くなるというストーリーだ。その人も白鳥うららと同じく、脅迫状が届いたりする設定だった」

確かにキャンプや食べ物によるアナフィラキシーショックというのは一緒だ。藍は口を開く。

「でも、白鳥さんは小麦や牛乳のアレルギーはないとわかったわ。それにもしも殺人ならば、白鳥さんが小麦や牛乳にアレルギーがあると知っていなければならない。本人がアレルギーを知らなくて他人が知っているなんておかしいでしょう」

「まあ、それもそうだな……。あの胃の内容物で他にアレルギーにつながるものは何かなかったのか?」

如月刑事に訊かれ、藍は胃の内容物を思い返す。小麦、牛乳、トマト、ベーコン、にんじんーーー。
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