密偵をクビになったので元主のため料理人を目指します!
「ジオンは、まあ、ね……」
肯定されたサリアは歯をくいしばる。ジオンが先駆けたせいで貴重な一枠が埋まったとしたら呪おう。
「サリア、頼むからそう人を呪いそうな目で凝視するのは止めてくれ」
「は? 何言ってるんですか? 呪うに決まってますよね? 自分のしでかしたことを忘れたんですか!?」
ジオンは知っている。どれほどサリアがルイスを想っているのかを。
重ねて言おう。それなのにこの仕打ちであると。
これはない。ないったらない!
「主様。もしも護衛の枠が一つだというのなら、私にはジオンを倒してでも奪い取る覚悟があります」
言いながら拳を構えた。困らせている自覚はあるけれど、サリアも引き下がれはしない。
確かにジオンには及ばないだろう。しかしサリアとて戦うことは出来る。身を守るすべはジオンから教わった。敬愛する主のためならば、この身が傷つこうと、手を汚しても構わない。
そう、たとえばジオンの弱みを握って脅すという汚い手を使ってでも……
「ありがとう、サリア」
「はっ!」
サリアは目を覚ました。ルイスの言葉はまるで邪な考えを遮るかのようだった。平気で汚い手を使おうとしたサリアにとって、さながら天使の囁きだ。
肯定されたサリアは歯をくいしばる。ジオンが先駆けたせいで貴重な一枠が埋まったとしたら呪おう。
「サリア、頼むからそう人を呪いそうな目で凝視するのは止めてくれ」
「は? 何言ってるんですか? 呪うに決まってますよね? 自分のしでかしたことを忘れたんですか!?」
ジオンは知っている。どれほどサリアがルイスを想っているのかを。
重ねて言おう。それなのにこの仕打ちであると。
これはない。ないったらない!
「主様。もしも護衛の枠が一つだというのなら、私にはジオンを倒してでも奪い取る覚悟があります」
言いながら拳を構えた。困らせている自覚はあるけれど、サリアも引き下がれはしない。
確かにジオンには及ばないだろう。しかしサリアとて戦うことは出来る。身を守るすべはジオンから教わった。敬愛する主のためならば、この身が傷つこうと、手を汚しても構わない。
そう、たとえばジオンの弱みを握って脅すという汚い手を使ってでも……
「ありがとう、サリア」
「はっ!」
サリアは目を覚ました。ルイスの言葉はまるで邪な考えを遮るかのようだった。平気で汚い手を使おうとしたサリアにとって、さながら天使の囁きだ。