【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
―――ガラガラ。
保健室のドアが開く音がした。
そしてすた、すたと足音が聞こえてから、キィっと椅子に腰かける音が響いた。
「やば……。保健の先生戻ってきたね」
そんなの今は関係ないよ……。
灰野くんへの気持ちがあふれ出るんだもん……。
「好きぃ……」
「わかったから……」
「大好きぃ……っ!」
「ちょ……声大きい、藍田さん」
ぎゅうっとしがみつくあたしを抑え込むみたいに抱きしめる灰野くん。
「灰野く」
「しぃっ!」
「前もこんなのあったね、んむ」
「っとに、藍田さんは……」
灰野くんの甘い声があたしの耳元に落ちる。
「……もっとこうしてたいから、静かにしてて」