【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

黒レースの彼女


藍田胡桃 Side*





カポーン。

床に落ちて転がる桶を、立ちのぼる湯気ごしにぼんやりと見つめる。


それを片付けてから、リホちゃんと彗と一緒に大浴場のお湯に浸かった。




……灰野くんのことが、頭から離れないよ。


あたしに詰め寄った灰野くんに「俺とナギ、どっちとしたい?」ってキスのことを聞かれた。


灰野くんは、なんでそんなこと聞いたんだろう。


だって、藤堂さんに「すきじゃないなら、やめたほうがいい」って言われたらあっさり身をひいちゃったんだよ?



あたしを「好きじゃない」ってことじゃん……。
わかってるけど……。じゃあなんでそんなこと聞いたのって、堂々巡り。はぁ。


でも、ナギちゃんはさんざん煽った帰り道、


「よかったじゃん。脈ありそうだよ」

って、真逆のことを口にした。



どこをどう探したら脈がありそうなの?


もう……わけわかんないよ。


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