月夜に花が咲く頃に
あ、やば。


足、もつれる・・・・・・。



「おい!」



前に倒れそうになった私の腕を、誰かが引いた。



「おわ、あっぶな」



やべえやべえ。



顔面から床にのめり込むとこだった。



「ごめん、ありがとう」



後ろを振り向くとそこにいたのは、呆れ顔の光。



私の顔を見るなり、珍しく眉間にしわを寄せた。



「お前、顔色悪くねえか?」


「え?そうかな。まあちょっと寝不足気味ではあるけど」


「血の気引いた色してんぞ。最近お前何やってんの?」


「え、先生から頼まれた仕事・・・・・・」


「寝ないでやってんのかよ!?」



こくりと頷くと、光は急に私を抱き上げてずんずん歩き出した。



「な!?ちょっと、急に何すんの、」


「いいから保健室行くぞ!お前少し器用になれよバカ!」


「はあ?とりあえずおろして!恥ずかしい!」


「うるせえ!」



なんで怒ってんのよ!


結局光は保健室につくまで降ろしてくれなくて、保健室に入るやいなやベッドに乱暴にぶん投げられた。



「ぼへぇっ」



いったいな!



< 215 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop