偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
秘めたる情欲

玲人side~

「杏花…飲み過ぎですよ…全く」

杏花はワインを飲み過ぎてしまい、タクシーで帰る車内で眠ってしまった。
僕は彼女を抱き上げ、ベットに運んだ。

「玲人さん…」

杏花は無意識に僕の首の後ろに両手を絡め、そのまま引き寄せた。
僕が杏花のカラダを組み敷く形となった。
僕たちのカラダが密着する。
あの夜もこうして、僕は彼女をベットに運んだ。

小学生だった女の子が大人の女性に成長して、僕の前に現れた。

僕は杏花の手を解き、カラダを起こす。

僕は父の愛人の子。
常盤家での立ち位置も微妙な立場。
社長の椅子は手に入れられても、常盤家の当主の椅子は難しいだろう。

左遷された修人を『キングダイニング』戻そうとする動きもある。

僕と夫婦生活を続けても、杏花が苦労するだけ。

『夫が日本に帰国したけど、二年半放置され、愛想を尽かして、スキな人が出来て離婚』


周りだって、僕の放置振りは知っているし、スキな人が出来て当たり前、この説明で納得するだろう。

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