偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
ホテルを出て、徒歩5分で海岸線に到着した。
海を見るなり、逸るキモチと潮風の香りに誘われ、走り出した。
頭にかぶっていた麦わら帽子が海からそよぐ風に煽られと背後に居た玲人君の方に飛んでしまった。

玲人君は飛んでしまった麦わら帽子を拾い上げてくれた。
そして、そっと私の頭に被せてくれた。
「ありがとう」

「ちゃんと日焼け止めは塗りましたか??」

「ううん」

「紫外線キツいですよ。それに、ちゃんと水分補給用の飲み物を持たないと、熱中症で倒れますよ」

「玲人君って、私のお母さんみたいにうるさいのね」

「僕は貴方のコトを心配して言ってるんです。
全く、貴方は何も考えていないんですね。待ってて下さい。僕が自販機で飲み物買って来ますから」

「じゃコーラがいい」

「炭酸は却下です。ポカリを買います」

「ええ~っ!?」

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