キミ、が欲しい



「狭くてごめん、ここ座って」



指定された場所に腰を下ろす。
決してこっちを見ようとしないハルの動きは今日も変。



「あ、暑くない?」



「大丈夫だよ、座れば?」



「いや……あ、飲み物入れてくるっ」



明らかに挙動不審なハルの手を掴む。
白いTシャツに黒の柄パンツ。
そっと後ろからハグしてみる。



「結城…さん?」



「もしかして、この部屋に女子入れたの初めて?」



「う、うん…」



ハグしながら真っ赤な顔を見上げる。
目の前に行きハルの手を握りしめた。



「そういうの、すっごく嬉しい」



「そ、そうなの?」



「またひとつ、初めてが増えたね?」



嬉しそうに笑うキミの、たくさんの初めてをこれからも共有していきたい。
耳元で「服可愛い」とかキュンとくる。
スカートとオフショルダーにしてちょっと攻めすぎたかなと思ってたけど良かった。



近付いてきた顔に気付く。
あれ?もしかしてキス…?
ちょっと待って……



「座ろう?」と一緒に座っても真っすぐな視線に捕らわれたままで……
やっぱり顔が近付いてきた。
今日はちょっぴり大胆なハル。
人差し指でちょっと焦らす。




「待ってハル……えっと…」



ドアの方を見て一応知らせる。
ハッと気付いてくれて慌ててドアを開けるとジュースを持ってきてくれたお母様と妹さんが揃って立っていた。



「なっ、盗み聞きしてんなよ!」



ジュースを受け取り勢い良くドアを閉める。
「ごゆっくり〜」と言われ真っ赤になりながら怒ってるハルが可笑しかった。
キミはどんな時でも湯でタコ状態だね。






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