キミ、が欲しい



麻衣子たちと合流して他の模擬店巡りをしていたら……



「星那…?」



他校の制服、長身、茶髪にピアス、おまけにイケメン。



「やっぱ星那だ。久々じゃん!」



何の躊躇いもなく頭をポンポンしてくる慣れた手つきにD組男子は若干引き気味。
やめてよ、ハルの目の前で。



「相変わらずだね、拓海は」



知り合いなんだ、と察してくれてんだろうけど…後で説明すんの面倒くさいな。
拓海の方から「同中で〜」と皆に挨拶してる。
麻衣子たちとは顔見知りだけど。



「星那こそ相変わらずなんじゃん?噂は聞いてるよ」




「どんな噂よ」




なんて話してる間に梓が「元カレだよね?」と麻衣子に話してるの、ハルは聞き逃さなかったみたい。



「近いうちにまた同中で集まろ!」



とびきりの笑顔で悪気はないんだろうけど、私にとっては悪意しか感じない。
見事なキラースマイルだと思うよ。



「あ〜…私、それパス」



「え?」



少し前の私なら普通に「いいよ〜」と軽く言ってたかもしれない。
誰でも良かったし、去るもの追わずなとこあったから。
でも今は違う。



ハルの隣に立って腕を組んだ。



「だって今は大切な彼氏が居るからね?じゃあね、バイバイ」



行こう、ハル。
「え?あ、あ…」ってハルがテンパっちゃってるけど私に引かれて一緒に背を向けた。
もう昔の私じゃないの。



「アイス食べよ〜ハル」
「う、うん!」



それからは何しててもぎごちないハル。
相当、気にしてんのかな?
ただの同級生に会っただけなんだけどな……






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