キミ、が欲しい
その日の放課後。
ガラッと保健室のドアが開いて、息を切らしたハルが入ってきた。
「星那っ…!大丈夫!?」
ベットに横たわる私はあっけらかんと答える。
「あ〜心配かけてごめんね?6限目の体育でちょっと立ちくらみしちゃって…もう大丈夫だから」
本当に軽い立ちくらみ。
生理初日ともあって貧血起こしちゃった。
最近じゃこんなことなかったんだけどな。
「よかった〜」と胸をなでおろすハルに、一緒に居てくれた麻衣子が「女の子の日だから優しくしてあげてね」と言ってるのが聞こえた。
急に真顔になって返事してるし。
嗚呼、今までこんな重い生理痛なんて一度もなかったのに情けない。
その日はちゃんと家まで送ってもらってハルとはバイバイした。
「本当に大丈夫?明日迎えに来ようか?」って心配性のハル。
ただの生理痛だよ。病気じゃない。
いつも通り駅で落ち合お、と渋々納得してもらった。
誰も居ない家に入り、リビングに作り置きされた夕食を見つける。
〜今日も当直だからちゃんと戸締まりしてね〜
お母さんの達筆なメモを見て携帯を取り出す。
(ごめん、フェロミア錠お願い)
お母さんにそうLINEを送って急いで作ったであろうビーフシチューをレンジで温めた。
翌日になって生理痛は残ってるもののだいぶマシになってた。
これなら学校行けるかも。
今日体育はないし。
朝ごはんを食べながら支度してたらお母さんから電話。
「そうそう、貧血気味だから飲もうと思ったら家になくて……うん、だからお願い……はーい、宜しく」
当直明けにメール見てかけてきてくれたんだろう。
「ヤバ、遅れる!」