日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
背筋が凍るような。



逃げ場がないと分からせるような



圧倒的な強者の目をしていた。



「だれ?」



「ふふ、貴方の愛おしくてたまらない
一ノ瀬桃華よ」



「ちがう!!桃華は、もっと」



「持っと優しい目をしている?」



「っ、あぁ。」



「そう、貴方がにはそう見えるのね」



「は?」



「ふふ、結構よ。」



彼女の前に車が滑り込む。



「じゃあね」



「ま、まて!」



呼び止めると、ほんとに彼女は止まる。



しかし、続ける言葉ない。



「何よ、呼び止めておいて
かける言葉がないなんて男失格ね」



「っ!」



「まぁいいわ。覚えておいて。



一ノ瀬桃華は、最近意識を失うので
検査入院のため1ヶ月近くは帰って来れない。



だから"白龍"のアジトにも顔は出せない。
いい?」



「よくねぇ!桃華をかえせ!」



「ほんっと、馬鹿なの?」



「あ"ぁ"?」



「検査入院って言ってるでしょ


じゃあね。」



そう言って去っていった彼女は。



ほんとに姿を見せなかった。
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