日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「これが最後の確認だ」



「あぁ、」



「俺たちはヤクザだ。
こちらに1歩でも足を踏み入れたら最後
まともに死ねねぇし、
子供にだって顔向けが出来ねぇ


都合のいい漫画や小説のように
実は警察と裏で連携してます。
犯罪を撲滅するために力を貸してます。


なんて甘いことはねぇ。
警察に見つかればしょっぴかれて無期懲役。
殺人犯となって世間様に晒される。



殺しも銃も刀も薬も女も金も
何でも来いやのこのヤクザの世界、


それでも踏み込む覚悟はあるか。」



正直言って踏み込ませたくはない。



こいつはいい奴だ。
こっち側の、闇に染るような人間じゃねぇ。



もしも宮瀬家が続いていたなら
宮瀬の頂点に立ち、皇族から嫁を貰い
いい家庭を築けていただろう。



そんなやつを俺は汚させる。



汚い、真っ赤な血で手を染めさせる。



「もちろんだ。」



決意したような目でハッキリと見返される。



はっ、



なに俺が弱気になってんだ。



こいつだって妃瀬の端くれだ。
殺しの方法は本能に刻まれている。



「なら、行くぞ」



「あぁ、」



男に二言はねぇ
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