日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「東華!!!!!!!!!!!!」




走る。



あとを追うように、



滝壺へ、



ガっ!!



足を蹴られ



全力で前に倒れ込む。



目の前には東華が落ちていった場所が



だけど、
身体は誰かに乗られて動かない。



「どけぇ!!!」



後ろからは渉の声も聞こえる。



きっと渉も誰かに押さえつけられている。



「全く、東華もうるさいの2匹とか
マジ勘弁して欲しいんだけど」



「妃瀬、宏輝、さま。」



渉の声に、動きを止める。



唯一動かせる首を使って後ろを向くと、



そこには美青年という言葉が似合うほどの
男が1人立っている。



「んー、ここで死んでるのは黒田かな?


全く、詳しい事を
君達に聞かないといけなくなった。


だから、東華の後は追わせないよ。」



「うる、せぇ!
早く離せ!


じゃねーと!東華が!!!」



「うっさいなー。
後は追わせないって言ってるだろ。


妹の望みぐらい叶えてやるのは兄の役目だろ。」



「望み?」



「おっと、口が滑った。」



そう言って妃瀬が笑う。



「おい、どうゆう事だよ、おい!」



「連れてけ」



妃瀬は一切振り向かず車に乗り込む。



「おい!!!」



俺も無理やり立たせられると
クルマに押し込まれる。
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