日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
どんどん迫ってくる水の衝撃を和らげるように
東華に抱き締める。



「正信」



「うるせぇ!舌噛むぞ!!」



「ふふ、ありがとう。」



っ!!



東華がそう言うと俺の体を蹴りあげる。



その一瞬で



東華は加速し
俺は減速する。



まさか!!



手を離れていく東華は
そのまま滝壺の水へ叩きつけられ
俺も数秒後に水の衝撃が襲う。



急いで光に向かって手足を動かす。



「ぶわぁ!!!」



一瞬呼吸するだけで
後は水に囚われ沈む。



「とう!ぶ、」



グルグルと水の中を回る。



「ぶはぁ!とうか!!!」



水にそのまま流される。



ひどい勢いだが沈まなくなった所で
周りを見渡す。



「東華!!!東華!!!!」



返事もなければ影もない。



くそ!!!



ガン!!



いっつ!!!!



大きな岩に体をうちつける。



くそ!!



近くの程よい岩を捕まえ体を引っ張る。



水に流された身体は予想以上に疲れ
上手く体を岩に近づけられない。
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