堕天使
学科が同じこともあって授業で何度も顔を見合わせるうちに愛菜とマコトは仲良くなり。

友達になり、そして恋人同士に発展した。

付き合って半年間は本当に幸せだったなぁ…と愛菜はよく思った。

バイトにサークルに恋愛に毎日が充実して笑いのたえない日々。

それが、マコトと付き合って半年。一変した。

マコトが嘘をついて他の女の子と遊んでいたことが発覚したのだ。

その日は愛菜とマコトにとって付き合って何ヶ月かの記念日で。最初は一緒に過ごすはずだった。それがマコトの「急用」とやらで駄目になった。

愛菜は残念がったがそれはそれで仕方ないと諦めたのだが。まさかのマコトが女の子と歩いているのを目撃してしまったのである。

ブチ切れた愛菜はマコトを問いつめる。マコトは最初、ばつが悪そうに「ゴメン」と謝る。だが、愛菜の怒りはおさまらない。ひたすら怒りをぶつけ続ける愛菜にマコトはそれまでの温和な表情を消した。

「うるさい」

それが始まりだった。

初めて手をあげられた愛菜は驚いて。謝った。

何で自分が謝るのかは、わからなかったがとにかく謝った。

それから、マコトに嫌われることを愛菜は極端に恐れた。
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