堕天使
愛菜はマコトから別れることは絶対に嫌だと思っていた。初めての彼氏。自分に安らぎを与えてくれる人。こんなにも大学生活を明るく楽しくしてくれた人。絶対に嫌われたくない。好きだから頑張れば大丈夫!

だから、怒ることも反撃することもやめた。どんなにマコトに非があっても。自分が悪いと思いこむことにした。

蹴られても罵声をあびても、気にすることをやめた。自分が悪いと考えるようにした。

そんな感情を持ってか二人の付き合いは大学の卒業まで続いた。


そして、事件が起きた。

「…んぅ」

口がカラカラに乾いているのか変な声が出た。

何か飲みたい。

愛菜は目を覚ます。

が、すぐに身体を起きあがらせることができない。

身体中が痛い。

目の周りがガビガビに乾いている。触ると痛い。

泣きすぎたのか、愛菜はゆっくりと身体を起きあがらせる。


そして、昨夜起きた出来事を思い出して悲鳴を上げそうになる。

夢じゃないのか。

此処は樹君の部屋だ。
< 12 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop