冬 -Domestic Violence-
「・・・・・・・最後にいいか?」
「なんですか?」
「そもそもなんで浮気した?
魔が差しただけなら五角形にはならない。
あんな可愛い子が隣にいたのに、
あんたも随分と欲張りな男だな?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「Bカップは物足りないっしょ。」
「・・・・・・・それだけか?」
「あと・・冷凍食品ばっかりだった。」
「・・・・・・・・・。」
「あいつ、菓子しか作れないんですよ。
俺がサークルの誘い断って腹減らしながら帰ってやったのに・・
食卓に何が並んだと思います?
チョコクッキーと紅茶ですよ?
そりゃ温かい手料理食わせてくれる女に逃げるっしょ。」
「シオリだって努力ぐらいはしたんじゃないのか?」
「いいや全く。
なんか中学の家庭科の授業の時に、結構派手に包丁で手切っちゃったらしくて、
それがトラウマで“出来ない”って悲劇ぶってましたよ。」
「・・・分かった。
お忙しいところどうもありがとう。」