冬 -Domestic Violence-
「・・・もしもし、成田です。」
『警視庁の月本です。』
「・・・月本・・さん?」
『昨日は上原さんの日記をありがとうございました。君には感謝が尽きません。』
「あぁ!神野先輩の上司の方ですか!」
『成田捜査官に折り入って、もう1つお願いがあるのですがよろしいですか?』
「なんすか?」
『上原さんが働いていた職場に、
“永川主任”という、
上原さんの上司にあたる人がいます。』
「・・そんな人いたっけ・・?」
『彼にも中野氏の居場所に心当たりがないか聞いてみてくれますか?』
「え・・・いいっすけど、
シオリはともかく、
中野とは全く接点がない人物ですよね?」
『“もしも”という事があるかもしれませんので、ダメ元でお願いできますか?』
「・・了解っす。
ちょうど今日も諦めかけてた所だったんで、今からシオリの会社に行ってきます。」