冬 -Domestic Violence-


刑事 成田イチロー
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オオスカワの街は、
そんなに治安が悪いわけじゃない。


確かに鉄仮面武勇伝のような事案はたまに起きるけど・・

“殺人”事件は1ヶ月に1回あるか無いかぐらい。



“今月は無さそうっすね!”


その通報が入ったのは、そんな事をハルカさんや桜井課長と話していた矢先だった。


「3丁目のアパート“新山ハイツ”304号室で女性の絞殺体を発見。すぐに向かってくれ。」


「はい。」
「は、はい!」






到着した現場は既に規制線が張られ、
鑑識の人達が先に乗り込んでいた。


オレとハルカさんも手袋をはめながら、新山ハイツ304号室へと足を踏み入れる。



「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・。」


正直・・死体を見るのにまだ慣れてない・・・。


うわぁ・・と怯んでいた所で、ハルカさんが手を合わせ始めたので慌ててオレも見習う。


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