間宮さんのニセ花嫁【完】
そういうことではなく、と口元をニヤつかせた彼に首を傾げる。
「佐々本さん個人からのはないのかなーって」
「……なにを期待してるのか知らないけどないよ」
「それは残念」
私をからかってくるのは相変わらずみたいだな。
「それに柳下くん、私から貰わなくても女の子から沢山貰えるでしょ」
「誰に貰えるのかが大事じゃないですか?」
「弥生にもたかってるって聞いたよ」
「あ、バレました?」
松村さんはなんだかんだでくれそうじゃないですか?と笑っている彼は間違いなく女の敵だと思う。
柳下くんは普通の後輩としてならいい子なのにたまに見せる男性の面が評価を落とさざる得ないのが勿体ない。
そんなことを考えていると彼は「そういえば」と、
「間宮さんには手作りするんですか?」
「な、なんっ!?」
「ここ最近ずっと休憩時間とかデスクでレシピ本読んでるじゃないですか」
そういうことでしょ?と指摘されて返す言葉もない。
あんなに見てたら流石に勘付くか。
「いいなー、俺もリア充したいなー」
「柳下くんが本気になればすぐだよ」
「本気になろうとしたけど遅かったんです」