間宮さんのニセ花嫁【完】



まぁ、私はもう女子と言える年齢でもないのだけど。
すると間宮さんはクスリと微笑んで「気合入ってるんだな」と目を細めた。


「本当、凄い楽しみ」

「き、期待しすぎないでくださいね」

「はは、やだ。期待する」

「っ!?!?」


やだってなに!? 可愛すぎるんですが!? こんなに可愛い31歳がいていいのだろうか。
奇跡だ、と拝むように手を合わせれば彼は頭にはてなマークを浮かべていた。




チョコレートの特訓を始めて一週間が経った。今週の金曜日は待ちに待ったバレンタインデーだ。


「佐々本さーん!」


営業の打ち合わせから帰った私に駆け付けたのは同じく営業で外に出ていた柳下くんだった。


「お疲れ様、柳下くんも今帰り?」

「はい、外めちゃくちゃ寒かったですよねー。こういう時の外での営業ってマジで苦痛」

「それ夏も似たようなこと言ってなかった?」


エレベーターに乗り込むと私と柳下くんの二人しか乗っていなかったことで必然的に雑談が増える。


「そういえば今週末ってバレンタインですよね。今年ももしかしてもらえたり?」

「うん、女子組で準備する予定だよ」


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