新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「結愛さんの気立ての良さはもちろん知っていましたから、省吾の親離れに一役買ってもらおうと画策して、思いの外、うまくいったので私も結愛さんのお母さんも驚いている次第です」
「省吾さんの、親離れ……」
私の親離れならまだしも、彼は自立しているし、親離れが出来ていないとは考えられない。
「省吾と衝突して、体に無理が出てしまったのでしょうね。貧血に疲労で発熱とは、申し訳なく思います」
「いえ、衝突だなんて、お互いに重要な話は避けています。いい大人なのに、情けないですよね」
私が弱音を吐くと、中村先生は優しく訂正した。
「いいえ。省吾が中村医院に来たのは、実に二十年近くぶりです。省吾に混乱を与えないために、私は敢えて顔を見せませんでしたが、結愛さんを迎えに来るために、病院に来るとは私からしたら素晴らしい進歩です」
「あ、の……」
中村先生と省吾さんとの間に、なにか確執があるのだと感じた。
けれど、それは私が中村先生から聞いていい内容ではない気がした。
なにを言えばいいのか、口ごもっていると中村先生が続けた。
「自信を持たれてください。そして省吾にぶつかっていただけると有り難いです」